Re-start
あらすじ
例えるならば、固く閉じた蕾。
彼女はそんな人間だった。
私は、そんな彼女の背中を押したいと思った。
背中の花を咲かせることで、彼女の背中を押したいと、そう思ったのだ。

作品URL
http://snivy-bksf.pepper.jp/mtsg-kikaku/mtsg.cgi?mode=view&id=kuryu_zuru&no=6

テーマ:開花

縛りポケモン:タマゴグループ『植物』&タイプ1『草』
  • 旅がらす
  • 2014/05/09 (Fri) 21:15:57
Re: Re-start
文章・文法:4.0
ストーリー:4.0

お母さんは娘のことを心から思っており、しかし娘も自分のポケモンのことを心から思っており、そこで衝突が起きてしまう。
お母さんのリコの価値観の差異、それは家族のことを考えたいという共通の思いから生まれた、このあたりは非常に深く掘り下げされていたと思います。
フシギダネからフシギソウに進化する回想シーンがやや短かったかなと。リコの表情だけで、リコの中の何かが変わったと判断するのは無理があるかなという感じであります。ここは進化したフシギソウを見て、リコがどういう行動をとったのか詳しく書いた方がよいと思います。
文章としては、特に引っかかりがなくわかりやすかったと感じます。ただ、「私は」の主語を省ける部分が結構あり、そこでテンポを悪くしていたと思います。”ねっとすらんぐ”や”じっか”などの表記は、ポケモンと人間の知識の差異を表すものとしてとてもよかったと思います。
  • 逆行
  • 2014/05/18 (Sun) 12:58:24
Re: Re-start
文章・文法評価:4.5
ストーリー評価:4.0

 とても柔らかい一人称が印象的でした。アンズ視点の優しい語り口調で物語が進んでいくため、感情移入もしやすかったです。お題である「開花」をアンズの進化と絡ませ、リコが一歩踏み出すためのきっかけにしようとする繋ぎ方もスムーズだと思います。
 そうですよね、人間全員が、ポケモンに慣れているわけではない。ましてや親しみを持っているとも限らない。いつも人間とポケモンが仲良しこよししているのほほんとしたものを書いてきただけに、わたし自身、考えさせられる部分がありました。わたしの中の「ご都合主義」をいい感じに揺さぶってくる後半(リコと母の電話)に結構ぐぐっときました。
 少しだけ重ね言葉にひっかかってしまったので、残念ながら満点にはいたりませんでした。凡ミスで有名(?)な「違和感を感じる」は綺麗に回避していただけに、「圧迫感を感じる」がとても惜しかったです。
  • 水雲(もつく)
  • URL
  • 2014/05/21 (Wed) 10:34:08
Re: Re-start
文章・文法評価 4.0
ストーリー評価 3.5

 ポケモンの視点から一人の少女の自立を見ていくお話。
 ストーリーはとても分かりやすい内容だったのですが、気になる部分が多く残り、少し読んだあとの『達成感』が足りなかったような気がします。
 しかし、創作の世界ではなく、現実の世界でもありそうな話で非常にリアルだったと思いました。
 続編があるのなら読んでみたい、そんな作品でした。
  • 天草かける
  • 2014/05/23 (Fri) 00:18:07
評価・感想
文章評価:4.5
内容評価:3.5

感想
 投稿お疲れ様でした。
 アンズの姐さんがすごい優しいですね。うちにも一匹ほしいです!(
 文章はいつも通り安定しているのに加えて、アンズさんの性格とも一致している感じがしてとてもいい感じです。今回の企画の作品は全体的に好みの文章が多いのですが、その中でも好きな部類でした!
 お母さんとの対決(?)シーンなどでのアンズの動揺の辺りや、リコを心配する描写などが特によくできていると思いました。
 満点じゃないのは差をつけるためなのでお許しください……!
 内容の方では、ラストがちょっと物足りないかなあという印象です。今のままだとなんというか、再びスタート地点に立ったところで止まっているような気がします。リコの心情が変化したことを踏まえた物理的な変化がほしいですね。個人的には『家族』という鎖を解き放つか、新たな形にするみたいな展開があったらいいなあと思いました。
 ただ、最初から最後まで丁寧に描かれていたので、途中で描写が足りない、場面が足りないということはなかったと思います。
 読んでて一番胸に来るお話でした。
  • ホープ
  • 2014/05/23 (Fri) 22:34:45
Re-start 投票
文章・文法:4.0
ストーリー:3.5

素敵なところ
・かなりリアル寄りの作品。リコの口調に「ああひとりくらいいるよねこういう喋り方の人」と思ったり、自立させてくれない親だったり、ああわかる、と思わせてくれるキャラクターでした。リコと母親の確執のリアリティさはこの作品の魅力だと思います。読んでてとっても胃が痛くなりました。それとポケモン絡みの保証制度という舞台背景がしっかりしている作品は個人的に大好きです。
・安定した文なのはさすがだなあ、といったところです。やわらかい文体がアンズの性格を表しているようで読みやすい反面、パンチはやや足りない印象。ラストの朝日を浴びながらアンズが進化するシーンは特に丁寧に描写されていて、その情景が目に浮かぶようでした。

気になるところ
・この話の肝であるリコと母親の確執が消化不良のまま終わってしまったのが残念だと思いました。短期的に解決するようなものではないし、ラストの「これから立ち向かわなくてはならない」問題なのはわかりますが、母親を説得できず若干泣き寝入りに近い形のため山を超えたという達成感がありませんでした。
・物語の中でちょっとアンズの進化が唐突だったかなあ、と感じました。作中で長年未成熟のままだということは言及されていますが、前半に進化をこらえる描写などがあれば引っ越しの動機にもより説得力が増したのではないかと思います。
  • 赤星
  • 2014/05/23 (Fri) 22:48:35
Re: Re-start
文章・文法:4.5
ストーリー:4.0

 アンズとリコの微笑ましいやり取りであったり、リコのおどけた様子であったりがとても面白く、だからこそ彼女の持つ苦悩、あるいは葛藤であったりがより映えて見えたのだと思います。アンズの一人称で全体的にほのぼのしている雰囲気を感じた作品でした。
 ポケモンのゲーム本編にしても、人間とポケモンが仲睦まじく過ごしている様子ばかり描かれていたり、他の二次創作の多くも人間とポケモンが共に暮らすことに違和感を感じない世界観ですが、見方を変えればリコの母親のような考えは隠蔽あるいは抹殺されているのだろうと感じると、私自身考えることも多いです。もちろんリコの母親のような考えが間違っていると言いたいわけじゃないですし、本来ならあって当然なのだろう、と。
 少し気になったのは、リコの元彼氏(?)について、もう少し中盤終盤にも持ち出しても良かったかもしれません。別れが彼女に大きなダメージを負わせたように受け取れるような描写が序盤にあったことを考えると、その設定はもっと生かしても良かったんじゃないか、そう感じました。リコの母親との通話など後半は「家族」にスポットライトが当たっていたため少し見当違いかもしれませんが、全体として「他人との関係性」を見るのであれば、ある程度描写を入れるのもアリだと感じます。
 テーマに沿っていると言えるRestart(再出発)という言葉、タイトルとして非常にマッチしていると思います。再出発を果たした彼女たちの行く先が、明るい方向であると願います。
  • ポリゴ糖
  • 2014/05/23 (Fri) 23:47:51

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