文章・文法:4.5
ストーリー:4.0
アンズとリコの微笑ましいやり取りであったり、リコのおどけた様子であったりがとても面白く、だからこそ彼女の持つ苦悩、あるいは葛藤であったりがより映えて見えたのだと思います。アンズの一人称で全体的にほのぼのしている雰囲気を感じた作品でした。
ポケモンのゲーム本編にしても、人間とポケモンが仲睦まじく過ごしている様子ばかり描かれていたり、他の二次創作の多くも人間とポケモンが共に暮らすことに違和感を感じない世界観ですが、見方を変えればリコの母親のような考えは隠蔽あるいは抹殺されているのだろうと感じると、私自身考えることも多いです。もちろんリコの母親のような考えが間違っていると言いたいわけじゃないですし、本来ならあって当然なのだろう、と。
少し気になったのは、リコの元彼氏(?)について、もう少し中盤終盤にも持ち出しても良かったかもしれません。別れが彼女に大きなダメージを負わせたように受け取れるような描写が序盤にあったことを考えると、その設定はもっと生かしても良かったんじゃないか、そう感じました。リコの母親との通話など後半は「家族」にスポットライトが当たっていたため少し見当違いかもしれませんが、全体として「他人との関係性」を見るのであれば、ある程度描写を入れるのもアリだと感じます。
テーマに沿っていると言えるRestart(再出発)という言葉、タイトルとして非常にマッチしていると思います。再出発を果たした彼女たちの行く先が、明るい方向であると願います。
- ポリゴ糖
- 2014/05/23 (Fri) 23:47:51